元トップライダー直伝!初心者必見!!カテゴリーを上げるためのCXレース準備
いよいよ今日はシクロクロスレースの本番。勇んで会場に来たけれども、さぁ何から始めよう…
どうぞご安心を! そんな不安と心配を一掃する虎の巻をこっそりとご用意いたしました。
会場に到着してからレーススタートまで何をすれば良いのかこれを読んだらバッチリ解消します。
レースに出場し慣れしているシクロクロッサーの皆さんにとっても、普段実践している出走前のルーティーンワークを今一度見直す内容にしています。
これを読めばカテゴリーアップもありえるかも!?
この記事の監修者
椿 大志
KINAN Cycling Teamに2020年まで所属、現在はChampion System Japanのスタッフとして活躍中。2021年からシクロクロスに取り組みはじめ、現在はME2まで昇格しました。
プロロードレーサー時代からの経験を活かした、トレーニングやレース、機材に関する圧倒的な知見は、必見の価値ありです。イベント会場やCROSS COOFFEEで見かけたら、自転車に関することを聞いてみてください。レベルアップの参考になるはずです。
1.受付・準備
シクロクロスの特徴は、カテゴリーごとにレースが順次開催されて、1日中レース観戦を楽しむことができるところ。
そのため、カテゴリーごとに受付時間が異なるケースが多いので、事前に自身が出場するカテゴリーの受付時間をチェックしておきましょう。
ゼッケンや計測チップといった受付キットを受け取ったら、バイクの点検とウェアの準備に取り掛かります。
バイクの点検
バイクの点検は、安全に関わるだけでなく、レースリザルトやパフォーマンスにも直結する重要な準備事項です。
- タイヤの表面に異物は付いていないか
- ブレーキの効き/引きしろのチェック
- 変速機のチェック
- バイクを揺らして、異音が出ないか
- ハンドルやペダルに体重をかけて、ボルトやホイールに緩みはないか
バイクに異常を感じたら、すぐに整備をしましょう。
ウェアの準備
ゼッケンはどのタイミングでつけるべきか?
原則、受付で受け取り次第、早めに付けてしまいましょう。レース直前はエネルギー補給やレースのシミュレーションに時間を割きたいところ、心にゆとりを持ってレースの準備ができるように、ゼッケンは早め早めに取り付けるように心がけることをオススメします。特に、試走が終わってすぐに自身のレースがある場合は尚の事、早めにゼッケンをつけてしまいましょう。
しかしながら、ゼッケンを取り付けるタイミングを事前に検討しなくてはならないこともあります。コースの路面状況が悪く、試走の段階でウェアが汚れてしまう、また、悪天候でウェアが濡れてしまうなど、ウェアコンディションがレースパフォーマンスに悪影響を与えてしまいそうなら、試走後に着替えをしてレースに臨む必要があります。
レース会場に着いたら、その日の天候、路面状況を確認して、試走後の着替えの有無を確認し、ゼッケンをどのタイミングで取り付けたら良いか決めるようにしましょう。
レースによっては、ゼッケンを留める安全ピンを各自用意することになっています。ゼッケンは四隅の固定が必須、両肩、腰の計3点に貼り付けるため、安全ピンは12本必要になります。
ハードコンディションの中繰り広げられるシクロクロスは、ゼッケン固定の安全ピンがすぐに錆びてしまいます。レースの遠征キットに、安全ピン(数にゆとりを持って)を常備しておきましょう。
2.試走&ウォーミングアップ
試走は、コースプロファイルを確認して、レース戦略を練る上でとても大切な作業になります。また、レースに100%のコンディションで臨むためのウォーミングアップとしての意味合いも併せ持ちます。
試走の際、後述する4つのポイントをチェックしましょう。
危険箇所はあるか
転倒した時に、DNFを余儀なくされるレベルの怪我につながる可能性があるセクションや、パスが難しく選手の渋滞が発生しやすいセクションなどを試走の段階で確認しておき、その回避策を事前に想定しておきましょう。
レースで怪我をしてしまった、またはレースで誰かに怪我を負わせてしまった/怪我を誘引する原因を作ってしまったなんて極力避けたいところ。試走の段階で、危険箇所の有無をしっかり把握するように心掛けましょう。
最適なライン取りはどこか
路面やコース状況に応じて、最適な走行ラインを見つけることは、体力のセーブに直結し、リザルトに大きく影響を与えます。路面状況は、天候や選手の走行状況に応じて刻々と変化します。自身が出走する時はどのような状況になっているのか予測しつつ、最適な走行ラインはどこなのか確認します。
ラインの判断に迷ったら、チームメイトや先輩シクロクロッサーに相談してアドバイスをもらいましょう。最適なラインの把握がリザルトに直結すると言っても過言ではありません。他の選手の走行ラインも参考に、戦略を練りましょう。
セクションに応じて乗車すべきか降車すべきかの判断
コース幅が狭くて厳しいコーナーや、田んぼのようなマッドコンディション、さらには砂浜など、走行が難しいセクションがコース内に組み込まれている場合、そのセクションの攻略法を試走の段階で見極めましょう。
なんとか乗車姿勢のまま、難セクションをパスしようとしがちですが、結果的に降車した方がタイムロスを防げることが往々にしてあります。乗車と降車、双方を試してみてどちらが体力とタイムのロスが少ないのか比較してみましょう。これに関しても、チームメイトや先輩シクロクロッサーにアドバイスを貰うことが効果的です。
勝負所はどこか
レースの雌雄を決するポイントはどこなのか、レースの後半にラストスパートを掛けるならどこなのか、自分が得意なセクションはどこなのか等々、レースのハイライトはどのセクションになるのか、そしてどのタイミングでそれが訪れるのか試走の時に予測をします。
勝負所になりそうなところは、実際のレースと同じような運動強度のライディングを織り交ぜつつ、念入りに試走を繰り返しておきましょう。
コースプロファイルを身体に覚え込ませ、身体も暖まったら、試走は終了です。試走後すぐに出走の場合、バイクやゼッケンなどの最終確認を済ませてレースに向かいましょう。
試走から自身が出走するレースまで時間がある場合、温まった身体を冷やさないように留意します。一つの目安として、体感的に寒いと感じない状態でレースに臨むことが重要になります。ローラー台やコース外で走行をするなど、適宜身体を動かす工夫が必要になります。
試走終了から1時間程度時間が空いてしまうようなら、一旦、暖かい車内や暖の取れるチームテントに戻ります。レース開始時間の30分前くらいから再び身体を動かして、コンディションを整えましょう。
競技時間が短いシクロクロスとは言え、終始高い運動強度でレースが展開されるため、体力の消耗は大きいです。レース終盤のパフォーマンスを落とさないために、レース前のエネルギー補給と水分補給は忘れずに。
エネルギー補給は消化が早くてすぐにエネルギーに変換されるジェル状のものがオススメ。固形物なら数口程度にとどめておきましょう。くれぐれも食べ過ぎにはご注意を。
寒い気候のレースであっても水分補給は忘れずに。試走やウォーミングアップで知らず知らずに汗をかいています。寒い季節であっても脱水症状は発生してしまうので、レース前には必ず水分補給をするようにしましょう。
タイヤの空気圧について
試走の時に必要な作業がもう一つ、それはタイヤの空気圧の選定です。
まずは普段の練習の時と同じ空気圧に調整して試走に臨みましょう。タイヤの空気圧の選定は、レース中に転ばない可能性を可能な限り高める作業と言い換えることができます。コース全体を走行してみて、タイヤのグリップの必要性を感じたら少しずつ空気圧を下げて調整をします。
空気圧の下限は一般的に、「コース内にある段差でリム打ちしない程度」と言われています。普段の練習時の空気圧を上限に、その範囲内で最適な空気圧を試走で見つけましょう。
空気圧を下限まで下げたけど、まだグリップが物足りない、そうなったら、高確率で滑るセクションは乗車ではなく降車でパスするように変更する、もしくはタイヤ自体をチェンジする必要が生じます。
空気圧についても、チームメンバーや先輩シクロクロッサーからアドバイスをもらい、参考にすることをオススメします。
3.最終確認
いよいよスタート時間が迫ってきました。レースでベストパフォーマンスを発揮することができるように、最終の準備を進めていきましょう。
まずは念には念を、バイクチェックから。スタート直後、メカトラに見舞われDNFになってしまっては悔やんでも悔やみきれません。試走でついたタイヤの泥汚れを落として、必要であればチェーンに注油。バイクも自分自身同様に良好なコンディションでレースに臨むことができるように、チェックは念入りに。
ゼッケンの貼り付け位置は正しいか、バタつきはないかも要確認です。
レース15分前になったら付き添いのチームメンバーと一緒に召集エリアに向かいます。ウォーミングアップで温めた身体を冷やさないように、スタートギリギリまでジャケットやウォームアップパンツを着用して、スタート直前になったら防寒着を付き添いの仲間に預かってもらいましょう。
シクロクロスはスタートの良し悪しがリザルトに大きく影響を与えます。スタート地点に着いたら、スタート直後のシミュレーションをします。レースを有利に展開することができるように、どこへポジション取りをするべきか、良いイメージを持ってスタートの号砲を待ちます。
レースが始まったらあとは存分に力を発揮するのみ!!ライバルとバチバチ競い合ってシクロクロスを存分に楽しんでください。
シクロクロスウェアならChampion System!!
シクロクロスにはウェアの選択も非常に重要です。レースのシチュエーションによって、最適なウェアも異なります。Champion Systemでは、レースの準備から本番まで対応できるウェアを幅広く取り揃えています。
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